保育園ICT関連ニュース

業務過多の保育士の働き方改革はどう進めたのか

2022.8.26 保育園ICT関連ニュース

おすすめの保育園ICT化の比較をする保育システム ランキングでは、ICT化に関するニュースをご紹介しています。
東京都杉並区のPicoナーサリ保育園が保育士の働き方改革を実施し、国の配置基準の2倍以上の保育士の確保に成功しています。
保育士の働き方改革を評価され、東京都女性活躍推進大賞【医療・福祉分野】を受賞しました。

 業務過多の保育士の働き方改革はどう進めたのか

国が求める配置基準の2倍以上の保育士の確保

Picoナーサリ保育園では、国の基準の2倍以上の人員確保ができています。
国が求める配置基準は、子どもの安全が最低限守られるものの、保育士は残業や持ち帰りの仕事があったり、休憩を十分にとることができなかったりといったことで成り立つものであると運営者の野上美希さん夫妻は話します。

国が求める配置基準
●0歳児:子ども3人に対し保育士1人
●1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
●3歳児:子ども20人に対し保育士1人
●4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人

実際に現場で働く保育士たちが心にゆとりをもって保育を行うにはどのくらいの配置を目指すべきかを見極め、徐々に人数を増やしていくうちに国の2倍の人員を配置することができ、それによって目指す働き方改革ができたということです。

業務の効率化を図るためにICTシステムを導入

働き方改革の一環として、ICTシステムも積極的に導入してきた運営者の野上美希さん夫妻。

従来手書き文化だった保育施設。
連絡帳はもとりん、年間のカリキュラムや園児の個別記録といった書類も、全て手書きで作成されていました。
それをICTシステムを導入して、上記のような書類をパソコンやタブレットで入力できるようにしたのです。
担任の先生がアプリでその日の活動を写真付きで発信する保護者とのやり取りツールである連絡帳は、保護者もスマートフォンで閲覧可能になっています。

朝夕の子どもの受け入れや引き渡しをする忙しい時間帯に保護者とのやりとりを連絡帳機能ですることになったため、先生方の負担が大幅に軽減されました。
連絡帳に時間を割かなくて良くなった分、子どもたちと向き合う時間が増え、保育の質向上につながっていると考えています。
Picoナーサリ保育園でICTシステムを導入したのは2016年ごろ。
当時ICTシステムを活用している保育・教育法人はほとんど見られませんでした。
むしろ導入に後ろ向きな法人も多くありましたが、今はコロナ禍で多くの法人に導入されるようになっています。

今後も乳幼児期に関わる先生たちの質向上のために業界だけでなく、自治体や国全体で取り組んでいくべきだと考えていますし、私たちも自分たちのノウハウを伝えるなど、できることをしていきたいと今後の取組についても語られました。

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