授乳だけじゃない「搾乳OK」ステッカーの広がり
「搾乳も可能です」と記されたステッカーが、高速道路のサービスエリア(SA)にある授乳室などで広まりつつあります。
赤ちゃんを連れていない場合、利用をためらってしまうという母親の声を受け、子育て支援団体が高速道路会社などに働きかけたことがきっかけです。
(※2025年11月7日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
搾乳利用を後押しするステッカーの広がり
ピンク色のハートを背景に、穏やかな表情の女性が描かれたステッカーが目を引きます。
そこには「この場所は搾乳にもご利用いただけます」といった案内が添えられています。
このステッカーを作成したのは、妊産婦支援に取り組むNPO法人ひまわりの会(東京)です。
約1300枚が用意され、4月には国土交通省との連携を図るとともに、高速道路各社へ掲示の協力を依頼しました。
その結果、NEXCO各社が管理する高速道路や首都高速、阪神高速、本州四国連絡高速などのサービスエリアやパーキングエリアを中心に、約250カ所で掲示されています。
搾乳利用における現状と課題
搾乳は、NICUなどに入院している赤ちゃんへ母乳を届ける場合や、母親が仕事や長時間の外出により直接授乳ができない際に必要となります。
サービスエリアなどに設置されている授乳室は、プライバシーが確保された空間ではありますが、赤ちゃんを伴っていない場合、周囲から不審に思われることがあります。
また、防犯上の理由から、子ども連れ以外の利用を控えるよう案内が表示されているケースも見られます。
搾乳環境の不足がもたらす影響と支援の広がり
滋賀県で小さく生まれた子どもとその家族を支援する団体「リトルベビーサークル滋賀のCOAYU(こあゆ)」の代表・小島かおり氏によると、搾乳の場所が限られていることから、車内で対応せざるを得ない母親も少なくありません。
その結果、「利用できる場所がない」と感じて気持ちが落ち込んだり、外出そのものを控えるケースもあるといいます。
同団体では、滋賀県庁や県内の商業施設に働きかけ、各施設が独自にステッカーを作成・掲示する取り組みを進めてきました。
小島氏は、安全で衛生的に搾乳ができる環境がより広がっていくことを期待しています。
全国へ広がる取り組みと今後の展望
ひまわりの会は、全国の「道の駅」のネットワークや東京都、大阪府などにもステッカーを提供し、取り組みの拡大を進めています。
専務理事の篠原利和氏は、「授乳期の母親にとって必要不可欠な配慮であるにもかかわらず、その重要性はまだ十分に浸透していません。
安心して搾乳できる環境を整え、母子が社会から支えられていると実感できる状況をつくりたい」と話しています。
今後は、多言語対応のステッカー制作を進めるとともに、空港などの施設にも掲示を広げていく方針です。

