NO!「男性の取るだけ育休」
9月19日は「育児休業について考える日」とされていりのを知っていますか?
これは、男性が育休を取ることが自然な社会の実現を目指し、積水ハウスが2019年に制定した記念日です。
現在、民間企業に勤める男性の育休取得率は40%を超えていますが、最近では取得率だけでなく、家庭内での役割分担の在り方など、育休の「中身」に注目が集まっています。
(※2025年9月20日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
育休の質を左右するのは夫婦の対話力
積水ハウスは9月19日に、「男性育休白書2025」を公表しました。
この調査は、全国で小学生以下の子どもと暮らす20~50代の男女9,262人を対象に実施されたもので、男性の育児休業に関する実態と課題が浮き彫りになっています。
結果からは、育休の内容をより良いものにするためには、夫婦間の円滑なコミュニケーションが極めて重要であることが明らかになったといいます。
調査では、育休を取得しても実際には育児や家事に関与していない、いわゆる「とるだけ育休」と呼ばれるケースに注目が集まりました。
配偶者がこのタイプに該当すると答えた女性たちの家庭内コミュニケーションへの満足度は55.6%でした。
一方で、「とるだけ育休ではない」と感じている女性の満足度は86.6%に達しており、30ポイント以上の差があることが分かりました。
また、育休中に夫婦で役割分担についての話し合いができていたかどうかも、満足度に大きな影響を与えていました。
満足度が高い層ほど「話し合いができていた」と回答する割合が高く、逆に満足度が低い層ではその割合が大きく下がる傾向が見られました。
育休の過ごし方に変化。夫婦で工夫する育児スタイルへ
育児休業の期間中に、夫婦が協力して効率的に育児を進める方法として、「シフト制」や「分担制」を取り入れる家庭が増えてきています。
東京都港区にあるAIベンチャー企業「グリッド」に勤務する藤田直樹さん(40)は、第1子の誕生にあわせて2023年9月から11月まで、さらに第2子誕生時には2025年4月から7月まで、それぞれ約3か月間の育休を取得しました。
第1子のときには、夫婦で交代制を導入し、藤田さんは午後11時から翌朝8時までを担当。
日中には2回に分けて4時間ずつ睡眠をとる生活リズムを構築しました。「育休がなければ、到底ここまでできなかった」と振り返ります。
第2子の際には役割分担制に切り替え、藤田さんが長男の寝かしつけや保育園への送りを受け持ち、夜間の対応は妻が担当したとのことです。
ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は、「男性の育休取得は広がりを見せていますが、実際の育児への関わりが浅いまま終わるケースもまだ多く見られます。夫婦が協力して家庭を支えるという観点から、育休の質を高める取り組みが今後さらに重要になります」と話しています。

