保育お役立ち情報

保育士の休憩問題

2021.5.24 保育お役立ち情報

保育士の休憩問題

保育士の労働環境の改善が進む中、それでもまだ勤務中の規定の休憩時間が守られず、休憩時間も子どもの見守りや連絡帳を書かなくてはいけない状況にある保育士が多いようです。
今回は保育士の休憩時間の問題についてお伝えいたします。

休憩時間なしは労働基準法違反

まず、労働基準法において6時間以上の勤務で45分、8時間の勤務で1時間の休憩を与えることが規定されています。そのため、上記の勤務時間を働いているにも関わらず、休憩時間がまともに休めていないのであれば、それは明確な労働基準法違反となります。
休憩を取っていたとしても、その時間に子どもの側にいたりして、子どもの様子が気になってしまうような環境の場合も休憩とは言えません。
休憩とは、保育室とは別の場所で、子どもの様子を気にかけたりすることがなく、規定の時間しっかり体を休める状態のことを言います。

休憩の質は保育の質に直結する

保育士が勤務時間中にしっかりと休憩が取れるか否かは保育の質に直結します。
休憩時間がまともに取れず、お昼を流し込むように食べるような状態では、疲労から集中力が切れてしまい、見守りが十分でなくなり、結果保育中の事故につながってしまうこともあります。
また、事故まではいかなくとも、疲労からくるイライラ、気分の落ち込みなどは、直接かかわる同僚や子どもたちにも影響します。
このようにまともに休憩がとれないことによって、保育の質の低下を招いてしますのです。

休憩が取れない原因を考える

職員のシフトは、保育する園児の年齢、人数に合わせて保育時間中は保育士指数がマイナスにならないようにシフトが組まれているはずです。それにも関わらず、保育士が休憩を取れないのだとしたら、取れない原因がどこにあるかを考える必要があります。
食事介助に時間がかかる、なかなか寝付かない子がいて、昼休憩時間に一定以上の保育士が必要なのであれば、休憩時間をずらす、掃除などの雑用は今その時間に対応が必要なのか見直すなどして、保育士が休憩時間をしっかりと取るためにどうすればよいのか園で話し合う必要があるでしょう。
シフト上で保育士指数が足りていれば、運営側は問題ないとしてしまいますので、その質の向上については現場サイドからも提案を上げていく必要があるでしょう。

保育士の業務軽減のために

このような保育士の休憩が取れない問題に対しては、午睡チェックのICTシステムの導入が進められています。午睡チェックは年齢別にチェック時間が異なり、手書きで寝ている方向を記入し、うつ伏せになったら寝相を変えるという対応が必要でした。
午睡チェックをシステム化することで、専用のコットやセンサーを付けることで、自動的にチェックと記録を行い、うつ伏せになった際や、呼吸の異常が発生した場合にはアラートが鳴るようになっています。
このようなシステムを導入することで、休憩時間の確保にもつながることでしょう。

PAGE
TOP