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待機児童ゼロを目指して保育士の退職ドミノ

2022.3.19 保育園ICT関連ニュース , , , , ,

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横浜市の認定こども園で保育士の退職、退職の申し出が相次いでいることがわかりました。横浜市では他の園でも職員の退職が相次いでいます。

 待機児童ゼロを目指して保育士の退職ドミノ
横浜市では待機児童ゼロを目指して、保育施設や職員は増やしたものの、労働環境設備が追いつかない状況です。
人が急に増えたこと、コロナ禍であることなどから職員同士のコミュニケーションが撮れていないことなどもあり、保育の質の維持にも不安が残る状況になっています。

学校法人が運営する保育施設で

大量の退職問題が起きているのは学校法人が運営する幼保連携型認定こども園。
2020年7月に幼稚園から移行した保育施設になります。
幼稚園と保育園をあわせ、55人の子どもたちが通園しており、それに合わて既存の職員約15名から職員を倍増。
しかし、2021年末に3人退職し、さらに今年度末までに10人が辞める意向を園側に伝えています。

幼稚園と保育園を並行運営する管理能力、準備が出来ていなかったと認めた園側。
「改善に向けて取り組む」とコメントしています。
危ぶまれた運営も「新たな職員の採用活動が進んでおり、運営は続けられる」として保護者説明会も開催しました。

横浜市は配置人員不足の解消、職員との意思疎通を図るよう園側に指導しましたが、「雇用関係の問題にまでは関与できない」としています。
この園に限らず、退職希望者が続出し運営継続が危ぶまれている保育施設も同市内にあるのが現実です。
運営を手助けするコンサルタントの派遣といった支援を行っていますが、それでも園内の職場環境全てを把握するのは難しいのでしょう。

保育の質維持に不安

横浜市は「待機児童ゼロ」を目標に、保育施設などの拡充を進めてきました。
保育需要が高い地域では運営法人への補助金の効率を高く、補助機関を長く設定し、受け入れ施設と人員を増やしていったのです。
その甲斐あって2009年に420だった施設数が2021年には1146に増加し、待機児童は16人までに減りました。
しかし、児童の受け入れ先が増えても受け入れる側の職員が保護者の求める保育サービスや教育スタイルができるかというと難しい問題です。
保育に関わる保育士や教諭、保護者や子どもたちに至るまで声を汲み取る枠組みが整備されておらず、保育士は運営側以外への相談先もないため、よりよい雇用先を求めて辞めていくしかありません。
改善も難しく新しい保育士を迎え入れても今後が不安になります。
保育現場の処遇改善は全国的な課題になっており、政府は補助金などで職員の賃金引き上げを試みていますが、労働環境の改善につながるかどうかは不透明です。

キャリアアップ研修やICTシステムの導入、具体的な処遇改善と補助金の行く先の可視化が求められるのではないでしょうか。

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