保育お役立ち情報

気づいてあげよう小さなサイン~ストレスを抱える子の特徴~

2025.6.5 保育お役立ち情報

 

保育の現場で毎日子どもたちと接していると、「いつもとちょっと違うな」と感じる瞬間があるものです。
子どもはまだ自分の気持ちをうまく言葉にできないため、ストレスや不安を行動で表現することがよくあります。その小さなサインを見逃さず、早めに気づいてあげることが、安心できる保育環境づくりにつながります。
保育士として知っておきたい「ストレスを抱える子の特徴」と、その対応についてご紹介します。

行動の変化に注目しよう

「いつもと違う」のは、何かのサインかもしれません。以下のような行動は、ストレスや不安を感じているときに見られる典型的な行動です。
いつも元気いっぱいだった子が静かになったとき、逆に落ち着いていた子が急に落ち着かなくなったときなど、「その子らしさ」からの変化に敏感になることが大切です。

・急に口数が減る・笑わなくなる
・些細なことで泣く・怒る・かんしゃくを起こす
・食欲がなくなる、または過食気味になる
・同じ遊びを繰り返す・一人遊びが増える
・おもらしや指しゃぶりなど、赤ちゃん返りのような行動

身体に表れるサインも見逃さない

子どもはストレスを体調の変化として表すことも。体の不調は「言葉にならない心のSOS」の可能性があります。
身体症状が続くときは、家庭とも連携して心のケアに努めましょう。

・頭痛や腹痛を訴えるが、検査では異常がない
・寝つきが悪い・夜中に何度も目覚める
・爪をかむ・髪を引っ張るなどの自傷的な行動

原因を決めつけず、まずは受け止める

ストレスの原因は、家庭環境の変化(引っ越し・離婚・きょうだい誕生など)や、保育園内での人間関係などさまざまです。
しかし、すぐに原因を見つけ出そうとするよりも、まずは子どもの気持ちに寄り添うことが何より大切です。声かけは、問い詰めずに「気づいているよ」というサインを出すだけでも、子どもにとっては大きな安心につながります。

・「○○ちゃん、最近なんだか元気がないね」
・「泣きたくなっちゃうくらいイヤなことがあったのかな」

保護者との連携も忘れずに

園での様子と家庭での様子は違うことが多くあります。気になる行動が見られたら、保護者へのていねいな共有を心がけましょう。
言葉を選びながら、気づいたことを具体的に伝えることで、家庭と協力してサポート体制を整えることができます。

・「最近、○○ちゃんが静かにしていることが多くて…おうちではどうですか?」
・「遊び方に少し変化が見られるのですが、何か気になることはありませんか?」

保育士自身の心にも余白を

子どもの変化に気づくためには、保育士自身のこころのゆとりも不可欠です。忙しい日々の中でも、子どもの表情やしぐさに目を向けられるよう、自分自身のコンディションにも気を配りましょう。
チームとして子どもを見守る体制があることで、小さな変化にもいち早く気づくことができます。

・無理をしすぎず、周囲と協力する
・気になる子どものことは一人で抱え込まず、職員間で共有する

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